この醤油の価格にはちゃんと理由があって、製造に非常に手間がかかるんです。その手間の大きなポイントは「火入れ」。菌による発酵をある程度止めて、醤油の香ばしさを決める、出荷前の大事な作業です。ここでぐっと温度を上げると短時間で完了しますが、一歩間違うとこげ臭のような香りになってしまいます。逆に低温で行えば時間がかかる。そこの兼ね合いが難しいんです。
『茶臼山の穀醤』の火入れでは、じっくり、低温で長時間行ったあと、短時間でさっと高温にして、香りを引き立たせているんです。効率は悪いんですが、醤油本来の香りを残すやり方ですね。
この丁寧な火入れのおかげで、香りが強く、味にまとまりのある醤油に仕上がっていると思います。味のクセもなく、かける料理の味を引き立てるあっさりとした旨さ。『脇役に徹することができる』味ですね。一般の九州の醤油より多少は辛口かもしれませんが、香りにノビのある、自信作が出来上がりました。
|